VBAの制御構文について
VBAを書く上で制御構文の理解は必須になってきます。本記事では、VBAで使用する制御構文について説明していきたいと思います。
制御構文の種類
VBAで使用する制御構文っていくつあるの??
・代表的な制御構文
制御構文 | 処理 |
If~Then~Else | 条件分岐処理 |
Select~Case | 条件分岐処理 |
For~Next | 繰り返し処理 |
For Each~Next | 繰り返し処理 |
Do~Loop | 繰り返し処理 |
Goto | 実行遷移処理 |
それぞれの処理について、使用方法を以下で説明していきます。
If文(If~Then~Else)
If文は大抵の言語にある条件分岐の制御構文になります。例えば、ゲームのHPで残りHP10以下の場合は「赤色」を表示、HP10より多く50以下の場合は「黄色」を表示、その他は「青色」で表示としたい場合、If文で以下のように書くことができます。
'変数
Dim hp As Integer
'①残りHP10以下の場合
If hp <= 10 Then
MsgBox "赤色を表示"
'②残りHP50以下の場合
ElseIf hp > 10 And hp <= 50
MsgBox "黄色を表示"
'③その他
Else
MsgBox "青色を表示"
End If
If文で条件式を書く場合は、「①のIf」の箇所は必須で、「②のElseIf」や「③のElse」は、なくても大丈夫です。VBAのIf文は少し特殊で、If文の終わりに「End If」が必要になります。また、ElseIfは条件がある限り何個でも記載ができます。ただ、何個でも記載するのはあまりいい書き方とは言えません。ElseIfを複数回使用するのであれば、次に説明するSelect文を使用するほうがいいでしょう。どちらで記載しても処理は変わらないのでただソースコードの可読性の問題だけになります。
Select文(Select~Case)
Select文はIf文と同様の条件分岐の制御構文になります。余談になりますが、他の言語だとよく「Switch文」として使用されております。例えば、「リンゴが好きな人」と「バナナが好きな人」、「ももが好きな人」、「ぶどうが好きな人」、「みかんが好きな人」、「他の果物が好きな人」で分ける場合、以下のようなソースコードを記載します。
'好きな果物
Dim
fruits As String
Select Case fruits
' 変数fruitsが「リンゴ」の場合
Case リンゴ
MsgBox "リンゴが好きな人"
' 変数fruitsが「バナナ」の場合
Case バナナ
MsgBox "バナナが好きな人"
' 変数fruitsが「もも」の場合
Case もも
MsgBox "ももが好きな人"
' 変数fruitsが「ぶどう」の場合
Case ぶどう
MsgBox "ぶどうが好きな人"
' 変数fruitsが「みかん」の場合
Case みかん
MsgBox "みかんが好きな人"
' 変数fruitsが「その他」の場合
Case Else
MsgBox "その他の果物が好きな人"
End Select
Select文は条件分岐が複数ある場合に用いるパターンが多いです。もちろん条件分岐が一つしかない場合でも使用できますが、少ない場合は「If文」を使用する方が可読性が高いです。Select文のCaseは何個でも記載できるので、分岐の数が多い場合はCaseを使用しましょう。
For文(For~Next)
For文はIf文と同様に大抵の言語にある繰り返し処理の制御構文になります。文字通り同じ処理を複数回実施する時に使う構文となります。以下に10回数字をカウントする処理を記載します。
'カウント用変数
Dim cnt As Integer
For cnt = 1 To 10
MsgBox cnt & "回目のループです。"
Next cnt
「cnt = 1 To 10」と記載することで、10回「MsgBox cnt & “回目のループです。”」の処理を実施することになります。「Next cnt」は、1回処理が終わるごとにcnt変数を1から2、2から3とインクリメントしていきます。
For Each文(For Each~Next)
For Each文はコレクションの各要素を繰り返す処理になります。と言っても初学者の方は何を言ってるんだ?となると思います。今回はこんな使い方ができるというのをよく使う二つを例に説明します。
まずはExcelのシート数文繰り返す処理になります。
シートの名称をExcelのシートの左から順に表示します。
'worksheet格納変数
Dim wSheet As Worksheet
For Each wSheet In Worksheets
MsgBox wSheet.Name
Next wSheet
次に配列の要素分繰り返す処理になります。配列の値を順に表示する処理になります。
'配列を用意
arr = Array(1,2,3,4,5)
'配列の要素格納変数
Dim itm As Variant
For Each itm In arr()
MsgBox itm
Next
Do Loop文(Do~Loop)
Do Loop文も繰り返し処理時に使用する制御構文になります。For文を使用できるようになればこちらはそこまで使用頻度の高い制御構文ではないと思います。
Do Loop文を使用する場合、「Do While~Loop」「Do Until~Loop」を使用することになります。それぞれの例を以下に記載致します。
Do While~Loop
Do While Loopは、変数が5以下の場合は処理を実施するなど、制御できます。
'カウント変数
Dim cnt As Integer
cnt = 1
Do While cnt < 5
MsgBox cnt & "回目のループです。"
cnt = cnt + 1
Loop
Do Until~Loop
Do Until~Loopは、変数が5までの場合は処理を実施するなど、制御できます。
'カウント変数
Dim cnt As Integer
cnt = 1
Do Until cnt = 5
MsgBox cnt & "回目のループです。"
cnt = cnt + 1
Loop
Goto文(Goto)
Goto文は、同じ関数内で処理を飛ばすことができる処理になります。処理を飛ばしたい箇所にラベルを作成して、Gotoの後にラベル名を指定することで処理遷移することができます。以下に例を記載致します。
'カウント用変数
Dim cnt As Integer
'Labelに遷移
GoTo Label
For cnt = 1 To 10
MsgBox cnt & "回目のループです。"
Next cnt
Label:
Debug.Print("Label")
上記の「Goto Label」を実施することで、最終行の「Debug.Print(“Label”)」まで処理をスキップします。真ん中のFor文の箇所の処理は実施しません。
最後に
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